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オーダースーツ・過去からの展望


“スーツが欲しい”と思った時、まず思い浮かぶのはデパートの紳士服売り場やスーツの量販店という方もまだまだ多いのではないでしょうか。
ここではオーダースーツ事情についてお伝えします。
オーダースーツ職人の後継者不足について

オーダースーツの中でも、最も手間がかかるのがフルオーダーです。
完全ハンドメイドの世界ですから、高い技術が求められ、その技術は師匠から弟子へと受け継がれていくものです。
しかし、現在後継者不足が深刻化しています。スピードを重視した効率化や、分業化に伴い職人の工賃が下がり、若い人は受け継ごうとしないのです。
また、個人経営による閉塞的な体制が、技術の口外を遅らせる原因になり衰退したとされています。新しいデザインを取り入れようとしない保守的なシステムがアパレル業界からも時代遅れとされました。さらに、採寸・型紙起こしから縫製に至るまで一貫して職人が手作業で行うため、フルオーダーは時間を要します。
ディテールや品質に特にこだわりが無ければ、サイズが適度に合っていて価格が安く、すぐに手に入る既製スーツを購入するという方は多く、主流は既製品というのが現状なのです。日本が、アメリカの影響を受けて、大量生産・大量消費の生産スタイルになり、消費者が、スーツに対して高いクオリティを求めなくなったことで、オーダースーツの需要が減ってしまったことも影響しています。
需要が無くなれば、仕事も職人も減るのは当然で、かつて、「ビスポーク・テーラー」と呼ばれ重宝がられていた仕立屋さんや職人全体の価値が下がり、後継者の数が減っているのは自然な流れなのです。
オーダースーツの現状について
既製スーツが主流とはいえ、オーダースーツの良さも見直されつつあります。
いくら既製スーツが普及しても、人の体型というのは千差万別です。
既製品では悩みや不満が生じるという方もいらっしゃいます。さらに、『高価であっても自身に合ったものを着たい』、『ステータスの1つとして良い物を長く身に付けたい』という経済的に余裕がある方もいらっしゃいます。
そういった方々は、割高であってもその金額に値するフィット感や欲しいデザインを作れる満足感を得られることを理解しています。
この価値は、お金に変えられるものではなく、オーダーでなくては手に入れられないものだからです。
コストパーフォーマンスに惹かれ、大量にあるスーツの中から合うものを選ぶのか、高額でも自分だけの1着を作り出すのか、この二極化は今後も進行していくと考えられます。
また、オーダーの中でも、「パターンオーダー」や「イージーオーダー」など、仕立てに掛かる時間が短く、手ごろな値段で満足感が得られる上質なオーダー方法が充実し、自分だけのスーツが作れる環境が整ってきたことで、よりオーダースーツが身近な存在になっていくことでしょう。
オーダースーツの流行について
最近は、様々なブランドや有名デザイナーとのタイアップによって生まれたスーツを雑誌やメディアでも目にすることも増えてきました。
ですが、こういったブランド名や著名人に惑わされないスーツ選びを心掛けて欲しいと思います。
お洒落感やスタイルの良さを重視するあまり、つい見た目のカッコ良さやシルエットに目がいってしまいがちです。
しかし、本来のオーダースーツの価値というのは、職人が生み出す熟練された技術であって、優れたデザインを生かすのも全て職人の腕に掛かっていると言っても過言ではありません。
年々、ディテールなどは微妙に変化し、数年前と比較すると、モデルの種類もニーズに応じて多様化していると言えます。
まずは自身の体型に合っているという事が大前提
最先端の流行を取り入れるというのもお洒落の1つではありますが、まずは自身の体型に合っているということが大前提です。
良い品質のオーダースーツであれば、お手入れ次第で10年・20年と着用することも可能です。長い目で見て、飽きのこないスタイルを選びましょう。